学会について

第9期理事長 嶋田 洋徳(早稲田大学)
一般社団法人日本健康心理学会の公式ウェブページにようこそ。
健康心理学とは、健康の維持と増進、疾病の予防と治療などについての原因と対処の心理学的な究明、及び健康教育やヘルスケアシステム、健康政策の構築などに対する心理学からの貢献をめざす学問です。したがって、健康心理学のカバーする研究分野は、かなり広範囲に及びます。
本学会では、2019年末に健康心理学事典を出版しました(丸善出版)。その編集の際に、現在の健康心理学の枠組みやタームを議論、整理し、13のカテゴリを設けて、それに対応づけた章を構成しました(健康心理学の基礎、生理学的メカニズム、パーソナリティ、ストレス、健康教育・ヘルスプロモーション、アセスメント、適応(疾患、問題行動)、対人・集団・社会、ヘルスケアシステム、カウンセリング、健康心理学的支援法・災害後支援、性・ジェンダー、研究法・倫理)。これをみても、健康心理学が多様な要素を含んでいることがおわかりいただけるかと思います。逆に言えば、健康心理学が発展していくためには、健康心理学に携わる研究者、実践者の相互協力が不可欠であるということになります。
誰もが予期できなかった長期間のコロナ禍に曝され、これほど社会が健康に関心をもったことはなかったのではないでしょうか。本学会もこれまでに相応の社会貢献を行ってきましたが、従前の生活様式に戻りつつある現在、新型コロナに限らず、あらためて人間の健康の維持・増進を中心にすえて、さまざまな課題に取り組んでいくことが必要であると考えております。そして、公認心理師という心理学関連国家資格が仕組みとして整った現在、健康心理学が実践でどのように役に立つのか、社会にどのように貢献できるのかのプレゼンスを示していく必要もあります。
これらを達成するべく、法人第9期(2025-2027年)は、第8期に引き続き、大竹恵子副理事長(関西学院大学:年次大会担当)、野中俊介事務局長(武蔵野大学)をはじめ、11名の健康心理学のエキスパートの先生方を理事にお迎えし、主な学会運営を担っていくことになりました。本学会の機関誌「Journal of Health Psychology Research」の発刊を担う機関誌編集委員長に矢島潤平先生(別府大学)、健康心理学の研究の牽引を行う研究推進委員長に境泉洋先生(宮崎大学)、健康心理士等の資格認定を行う資格認定委員長(副理事長兼任)に北見由奈先生(東京家政学院大学)、健康心理学の知識や技術の研修を担う研修委員長(副理事長兼任)に岡村尚昌先生(久留米大学)、近年の国際動向への対応を行う国際委員長に大森美香先生(お茶の水女子大学)、広く健康心理学の動向や学会活動の広報を担う広報委員長に三浦正江先生(東京家政大学)、諸活動に関連する倫理面の問題を扱う倫理委員長に岡島義先生(東京家政大学)、優秀な研究活動に対する顕彰を担う本明記念賞委員長に山蔦圭輔先生(神奈川大学)、今期から増設された健康心理士会の運営を担う健康心理士会運営委員長に平井啓先生(大阪大学)が就任されました。そして、3名の監事、16名の代議員の先生方に役員をお願いしております。
会員の皆様の声を聴きながら、共に健康心理学の発展と普及に取り組んでいきたいと考えておりますので、今後とも、ご理解、ご協力の程、よろしくお願い申し上げます。
2025年6月吉日