学会について

第6期理事長 田中 共子(たなかともこ)

 このほど日本健康心理学会の理事長に就任いたしました。ご挨拶を申し上げます。会員の方々と共に、健康心理学の発展と普及に取り組んでいきたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。

 本学会の現在の会員数は約1700人、8つの常置委員会(機関誌編集、研究推進、資格認定、研修、国際、広報、倫理、本明記念賞)を持っています。Journal of Health Psychology Researchという機関誌を持ち、ヘルスサイコロジストという広報誌があり、会員にはメールマガジンが届きます。腕を磨く研修会や、情報交流が進む年次大会が開かれており、健康心理士の資格認定の事業が行なわれています。顕彰や助成などが、研究を励ましています。ほか健康心理学事典の編集委員会など、特務的な委員会が設けられます。

 これらが、今の本学会の基本骨格であり活動の軸といえます。多くの方々のご尽力とご参加なくしては、成り立たないものばかりです。ご協力に感謝しつつ、一人でも多くの方々が、楽しみに活動ができますよう、体制を整えていきたいと思います。

 本学会の近年の歩みで顕著なのは、国際化と社会化ではないかと思います。国際発信を意識して、機関誌名が英語になりましたし、アジア健康心理学会の発展に尽力して、その研究集会を開いたのも、国際化の流れを意識したものです。
 受信のみならず発信の力を高め、アジアの健康心理学を世界に届けること、そして国内のみならず海外との往来も視野に入れて、国際的流動性の中の健康を考えることが、時代の要請であろうと思います。

 そして健康心理学の社会発信や社会貢献が、今期の最大の課題になると考えています。心理学の国家資格が誕生した今、健康心理学は現場の実践でどのように役に立つのか、社会にどう貢献できるのかが、改めて問われています。心理学への期待と注目が、これまでになく高まっている時期といえるでしょう。
 本学会には心理専門職も、医療や福祉をはじめとする心理の周辺領域の専門家も所属しており、健康への関心を共有するコミュニティが生まれています。健康心理学を役立てる機会が、広い範囲に潜在しているともいえます。
 我々が、「健康心理士」の資格と「健康心理士会」をどう生かすかを考えていくことは、健康心理学の現実的な可能性を形にしていくことに繋がっていくと思います。

 こうした重要な課題に向き合う今期ですが、これらに会員の皆様と一緒に取り組んでいければ幸いです。委員会活動や各種の企画にお誘いが届くと思いますので、どうぞ積極的にご参加ください。ご提案もお待ちしております。学会活動を形作っていくのは、私たち会員自身です。

(2019.6.20)

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